『Yコンビネーター』読了。世界を変えるスタートアップの実情とは!?
『Yコンビネーター』と聞いてピンとくる方は
なかなかいいアンテナを張ってらっしゃる方なのではないでしょうか。
そう、アメリカにおいて最も活発なファンドの一つであり、
起業家(この本ではまだ起業前なので創業者)のスタートアップを
支援する。
彼らの支援方法はまず応募してくる創業者の選抜し、
見事勝ち抜いた者たちに対し
最初、数万ドル(チーム人数や将来性によるが)を
無条件で投資、その代わりその企業の株式の数パーセントを保有することとなる。
最後にデモ・デー(数百人の投資家の前で発表を行う)。
彼らの選抜方法は「アイデア」ではない「創業者がどうあるか」である。
では「創業者」はどうあるべきなのか。
ハッカーでなければならない。
ここでのハッカーとは犯罪などで用いられるものではない。
すぐれた技術をもってすぐれたものを作りだす人たちのことである。
1.スタートアップのアイデアはひどく斬新でなければならないのか?
わたくしがこの本を読もうと思った理由のひとつです。
スタートアップや起業すると聞くと
「Facebook」や「PayPal」、「twitter」といった大企業を思い浮かべるでしょう。
(あるいはgoogleやdropboxかもしれません。dropboxはYコンビネータ―出身です)。
ですがこの本を読んでいる限りそうとも限らないなと思った。
例えば、「〇〇はモバイルサイト版のヘロクです」といった文言も作中で出てきた。
また、
「レストラン向け日替わりクーポン」
や
「ラップ歌詞のウィキペディア的な注釈データベース」
などもある。
問題はそのテーマで
「現在、どのような問題があるか」
「顧客は何で困っているか」
といったことだ。
よくよく考えてみると先ほどスタートアップから変身した大企業を上げたが、
これらの企業でも同じようなアイデアで作られた企業は
以前からあったはずだ。
なぜそのような企業と大企業に差がついているのか。
その答えもこの本に書かれているのである。
2.彼らはなぜ熱意をもって取り組めるのか?
答えとしては簡単で「ハッカー」だからである。
そういってしまえば元も子もないのだが、もう少し掘り下げてみる。
問題を目の当たりにしたとき
1.そのまま誰かが解決するのを待つ。
2.自分でコードを書き、解決する。
という2択があるとする。
彼らは主に2である。
「いや~俺文系だからそんなことできないっすよ~」と思っている人もいるかも
しれないが、
彼らのなかには法学部出身でコーディングを独学で習得した者もいる。
おそらく問題解決することもそうだが、
何かを学ぶことが楽しいのである。
こういった欲求は元来誰でも備わっているはずであり、
わたくしも見習わなければならない。
3.総括
色々述べてきたがやっぱり
アメリカの起業家精神はすげー!
と子供のような感想になってしまう。
なぜ日本ではそういった人材が育たないのかという
問題はずっと議論になってきているのだが、
日本の謙虚さという国民性以外にもあるそうだ。
この本を読むと、主に地理的問題も見受けられる。
(地理的という言葉が正しいのかはわからないが)
起業家精神の持つものやそういった企業が集まる場所がやはり必要である。
(アメリカではシリコンバレーである)
わたくしとしては、
起業家誘致として、
その自治体がスタートアップファンドとなり、
起業家を集め、チームごとに投資を行い、
「我が自治体こそがスタートアップ発祥地だ」といった
戦略もありなのではないかと思っている。
ただ、どうなるかわからないものに投資するのが嫌いな国民性から
あまり実現性はなさそうだが( ^ω^)
(YCコンビネーターでは投資のリスク回避として64チームに対し投資を行っている)。
日本でも起業がしやすい仕組みがほしいですね。
Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール
- 作者: ランダル・ストロス,滑川海彦,高橋信夫,TechCrunch Japan翻訳チーム
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