社畜やってる場合じゃねぇ!

週休0日制の研究室に通うラボ畜だった社畜の雑多な日常を更新するだけのライフログ

『FREE』『MAKERS』を読んでみてビットとアトムのモノづくりの変化を知る

1.何年前の本?

『FREE』は約4年半前、『MAKERS』は約1年半前の本である。

 

前者は所謂「無料ビジネス」について系統的に紹介している本であり、

後者は今話題の3Dプリンタを含む、ハードにおけるモノづくりで起きている変化を

述べている1冊だ。

 

2.FREE~なぜ無料?~

 

 

 

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

 

 

 

 

特に『FREE』は現在の生活を考えると、

「なんだよあたりまえじゃん」と思う方が多いかもしれない。

 

ただ、『FREE』で述べられていることは

もっと根本的なものでした。

 

なぜ無料が成立するのか、

なぜ無料でも稼げるのか。

 

上記の2点等においてフリービジネスを4種類に分類し、

それぞれの特徴ならびに現在行われているビジネス例も紹介されています。

 

またそれらの多くはソフトウェア、つまりビット世界での出来事です。

数十年前に比べ、パソコンの値段は下がり、インターネットの敷居も低くなり、

誰でも手軽にウェブビジネスへの参入を行えることがこれらビジネスの背景となっています。

3.MAKERS~モノづくりの共有化~

 

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

 

 

一方『MAKERS』では、昨今流行の3DプリンタやCADソフトのフリー化に伴い、

モノを作るコスト自体が限りなく小さくなっていることが書かれている。

 

また、CADファイルを送信すると、

そのファイル通りのものを作ってくれるサービス等、

工場を自分で持たなくても製造業を行うことが出来る土壌が

現在出来上がっている。

 

今までの製造業だと

1.図面作成(大体が2Dによるものが多い)

2.試作品作成(金型を作る)

3.大量生産のためのライン作成(工場を作る場合、お金がかかる!)

4.販売(マーケティングに則った)

 等々のプロセスが存在する。

 

しかしながら、個人で製造業を考えた際、

1.図面を作成(CADによるデジタル図面)

2.試作品作成(3Dプリンタ)

3.製作物の外注(CADファイルを送り、3DプリンタもしくはCNCで作ってもらおう)

4.販売(web上ですでに顧客を見つけている)

といったものである。

 

特に3、4が気になった。

3では、現在CADファイルを送ると、

実際のものを作成してくれるサービスがある。

 

さらに、CADファイルをアップロードすると

各製造業者が「これなら〇〇〇〇(金額)で作れますよ」といった見積もりを行い、

競争し、受注するサービスもある。

 

4では、自分のプロジェクトをweb上で紹介し、

期間限定での寄付をユーザーから募るサービスがある。

これは、ユーザーが欲しい商品に対し、前金で予約を行うため

資金集めをする上で市場調査までできるということである。

(4では販売となっているが、まず資金集めの時点でこのサービスを使用する。

市場調査はその際、得られる二次的情報化も)

 

最後に、昨今では自分達の作ったものをオープンとし、

共有する活動も広がってきた。

それにより知識・技術の共有が広がり、

更により良いものを作成する傾向にある。

 

モノづくりはアトムの世界であるが、

こういったサービスや考えは元々ビットの世界のものであり、

今現在、この二つの概念がいい塩梅で融合しあい、

新たな製造業を生み出している。

 

4.感想

以上2冊について少し書いてみたが、

どちらも重厚な本である。

(『FREE』は約350ページ、『MAKERS』は約300ページ)

 

しかしながら各章ごとのページはそれほど多いというわけではないので

1章1章をさらりと読める。

非常に読みやすい本であった。